皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。
今年は入梅を迎えたものの、東京では雨もあまり降らず、
すでに梅雨明けが近いような陽気が続いております。
さて、アメリカではトランプ前大統領の発言が各方面に波紋を広げており、
イランとイスラエルの対立は、彼の介入によって一時的に沈静化したものの、
ロシアとウクライナの戦争は依然として収束の兆しが見えず、
終わりの見えない状況が続いています。
アメリカは今、巨額の財政赤字を抱えており、
トランプ氏はその負担を世界に分担させようと動いています。
日本はこれまで、米国の「安全保障の傘」のもとで何とか立ち回ってきましたが、
米国は「自国の防衛は自国で行うべき」との姿勢を明確にし、
ヨーロッパ諸国にも「国防費を年収の5%規模に増やすべき」と伝えました。
その影響で、ヨーロッパでは「アメリカはもはや頼れない」
との認識が広まりつつあり、防衛体制を見直す動きが本格化しています。
同様の要請は日本にも向けられており、今後アメリカが日本に対して
経済的・軍事的支援を行わない可能性が高いと見られています。
この先、日本は独自に外交・安全保障戦略を考え、
自国の手で国を守る準備を進めねばなりません。
中国、朝鮮半島、ロシアといった近隣諸国との関係において、
米国の後ろ盾がない状況で、どう向き合うのかを真剣に考える時が来ています。
アジア諸国、インド、オーストラリア、ニュージーランドなどとの連携も、
現実的な選択肢となるでしょう。現在の日本は経済的にも安定しており、
対応の余地はあるものの、好調な時期ばかりが続くわけではありません。
冷静かつ慎重に国際情勢と向き合っていかねばなりません。
米国の国家債務は、実に約5435兆円という途方もない額に達しており、
もはや「世界の警察官」としての役割を果たしきれなくなりつつあります。
そのような状況において、「ヨーロッパはヨーロッパで自立し、
アメリカの支援を当てにすべきではない」との声が高まるのも、
やむを得ないことかもしれません。
また、トランプ氏は最近、日本に対して30〜35%の関税を
課すべきだとも発言しており、日米関係の再構築が求められている
今、我々はアメリカとどう向き合っていくべきかを真剣に考えなければなりません。
たとえば、日本製鉄は米国の提案を受け入れ、
現地での工場運営を進める方針を示していますが、
アメリカの高い人件費に見合った生産体制を築けるかは大きな課題です。
世界は今、狭く複雑になり、至るところで紛争が起こっています。
イランとイスラエルの対立は、一旦は米国の介入により収まったものの、
再び戦火が起こる可能性は否定できません。ロシアによるウクライナ侵攻は、
多くの建物、病院、住宅、事務所を破壊し、多くの人命が失われました。
復興には膨大な費用と年月が必要でしょう。
人々に悲しみと苦しみ、そして深い憎しみを残す戦争とは、
一体何のために起こるのでしょうか。
残念ながら、戦争は今後も世界のどこかで続いていくでしょう。
一刻も早く、平和な世界が訪れることを祈るばかりです。
さて、刀剣の話に移りますが、収集においては人それぞれ
好みが大きく分かれます。
刀の評価は非常に難しく、特に無銘の場合、どれほど博物館で高く評価されていても、
私個人として納得がいかない場合はその通りには評価いたしません。
無銘極めはとりわけ難しく、これまでに在銘作が一切確認されていない刀に関しては、
私のような者が評価することはできません。
たとえば、正宗の短刀において「正真」とされるものはわずかに3振ほどしかありませんが、
無銘極めで60本近くの作品が正宗とされております。
中には確かな鑑定家による評価も含まれますが、すべてが正しいとは言い切れません。
したがって、著名な刀に関しても、安易に極めを行うべきではないと私は考えます。
審査は厳格に行うべきです。むやみに「名品」とされる刀が増えていくことは、
刀剣界全体の価値を損ねかねません。
特に、これまで存在しなかった在銘刀が次々と現れるようでは、
信頼性そのものが問われてしまいます。
なお、お客様が御委託品として名刀をご持参くださり、
丁寧に茎を掃除したところ、銘がはっきりと現れました。
さらにお手入れを施したことで、その刀は見違えるように美しくなり、
お客様もたいへん満足されて帰られました。
時折、委託品として刀剣をお持ちくださるお客様がいらっしゃいますが、
きちんとお手入れをすれば、見違えるように美しくなるものです。
どうか、ご家族を大切に。おじいさま、おばあさまには敬意を、
奥様には感謝を。時にはご家族で川辺に出かけ、
水遊びを楽しんでください。
お子さまには厳しくも愛情を持って育て、明るく親切で質素な、
目を輝かせて懸命に努力するような立派な人に育ててあげてください。
ごきげんよう。
日本の政治をよくする会
ドン・キホーテ会長 鶴田一成