ご注文番号:23350
脇差:白鞘入り(特別保存刀剣)
銘: 伯耆守平朝臣正幸
寛政四年子八月
新々刀:上々作:薩摩
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております。本作の出来はとしては上々作にランクされる作品です。
研磨済み
鎺: 金着せ二重
刃長: 54.2センチ
反り: 1.4センチ
目釘穴: 1個
元幅: 3.30センチ
先幅: 2.37センチ
重ね: 0.7センチ
刀剣重量: 635グラム
時代: 江戸時代寛政4年
体配: 身幅が広く重ねが厚く、反りはやや深くついており、切先はのびた健全な肉置きを持つ脇差です。
地鉄: 小板目肌で詰まっており、黒味のある地鉄となり、無地に近い精緻な地金となっています。
刃紋: 沸出来匂口の深い呉の目乱れとなり、足がよく働いています。
特徴: 伯耆守平朝臣正幸は正近の門人で、姓は伊地知で初銘は正良3代目で、寛政元年に伯耆守の官職を受ける際に同時に正幸と名乗るようになりました。文政2年に87歳で亡くなるまで、刀剣鍛錬の本を発行するなど、刀工教育にも名を残しています。
伯耆守平朝臣正幸は薩摩を代表する刀工の一人で、多くの作品を製作しました。彼の作風は九州地域の他の刀工にも影響を与え、茎尻の縦線の特徴があることで偽物を防ぐための工夫とされています。茎尻の縦線が中心よりずれている点も特徴で、茎尻の中心に線が来ている場合は偽名としてみることがあります。また、他の刀工と比較して皮金(地鉄の外側の部分)が厚いのも特徴で、このため錆びていても取り切れると言われています。錆びている元平や正幸の刀剣を見つけた場合は、購入して研ぎ師に研磨させることをお勧めします。
葵美術より一言:この作品は健全な作品であり、鹿児島の歴史に男らしい存在がいたことを思い起こさせます。鹿児島には西郷隆盛や坂本龍馬、徳川吉宗などの偉人が存在し、その歴史を感じさせる作品です。
特別保存刀剣鑑定書
葵美術評価鑑定書:全身押し形 鶴田文佳