ご注文番号:18271
短刀:拵え入り、箱入り(特別保存刀剣)
銘:栗原謙司信秀
文久元年□月日
新々刀:上々作:武蔵
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は栗原謙司信秀としては上々作にランクされる作品です。
研磨済み
はばき:金着二重
刃長:22.7センチ
反り:0センチ
目釘穴:1個
元幅:2.52センチ
重ね:0.7センチ
時代:江戸時代末期 1861
体配:身幅やや広め、重ね厚くがっしりとした作品
地鉄:小杢目肌よく練れて地錵が付き綺麗な肌合いとなる。地景が入る。
刃紋:小錵出来、匂口深い互の目乱れ、刃縁柔らかく刃中、砂流が働き金筋が現れる。
特に差裏の切先は激しくあらわれる。
特徴:栗原謙司信秀は本国は越後では
文化十二年(西暦1815年)西蒲原郡月潟村に生まれ、
山浦清麿の門人で通称栗原謙司信秀と称し、慶応元年頃に筑前守を受領する。
大阪に於いても制作する。彫りの名人として著名な刀工で
初期には彫りを彫る場合は彫り同作と茎に切るが、後年になると切らない作品が多い。
明治4年廃刀令によって越後に戻り刀の制作は続けられ、
明治5年には天王陛下の為に一振りを制作した。
故郷に戻り三条八幡宮の御神鏡や弥彦神社の御神鏡などを制作した。
信秀は清麿の門に入る前には鏡師として活躍した時代があり、
彫刻には極めて優れた才能を有し、清麿が困難な時代に
金銭面でかなり助けた時代背景が、感じ取られ清麿の客人扱いを受けたと思われます。
本作は身幅、重ね充分で健全な作品です。
拵え:葵の家紋入り
鞘:鞘は黒呂色鞘に表裏に葵の家紋を金で描く。
目釘:金無垢!?
葵美術より一言:清麿の弟子の中で最も高弟として知られた信秀はたなり潤沢な
職人であったのは鏡の彫りに秀でておりかなり数多くの注文があり
刀剣に興味を持った為清麿の客人として修行をしたと考えられます。
清麿と全く変わらない程の作品を制作するが清麿との違いは師匠は彫りはおろか
棒樋なども一切行わない刀匠でありましたが信秀は鏡師であった為
積極的に彫りを行い作風も地金、刃紋ともに異なっております。
清麿と比較して制作本数も大きく異なり当時の侍より大きく評価されたと考えられます。
本作の短刀は切先は清麿風に尖って返り金筋が良くはたらく左文字写しの傑作といえる作品です。
はばきと目釘は金無垢と豪華であり、余程高禄を食む上級節又は大名からの注文であったろうと考えるのです。
是非この名品をお求め下さい。
特別保存刀剣鑑定書
葵美術正真鑑定書:全身押し形