ご注文番号:AS22716
太刀:白鞘入り(特別保存刀剣)(無鑑査刀匠)
銘: 為伊藤浩二君雲州住忠善造之(二代)
昭和五十年霜月日
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております。本作の出来はとしては上作にランクされる作品です。
研磨済み
はばき: 金着せ二重はばき
刃長: 73.7センチ
反り: 2.6センチ
目釘穴: 1個
元幅: 3.3センチ
先幅: 2.9センチ
重ね: 0.8センチ
刀剣重量: 915グラム
時代: 昭和50年(1975)
体配: 身幅が広く重ね厚く、切先がのびた反りの深い体配の良い作品です。
地鉄: 小板目肌がよく練れて綺麗な地金となる。
刃紋: 沸出来、頭の丸い呉の目乱れ、足がよく働き先にゆくに従い、穏やかな刃紋となり帽子は三作(さんさく)風となる。いわゆる長光をうつした作品であろうと思われる。
特徴: 雲州住忠善造は初代が戦時中に活躍し、二代目は川島真と称して多くの賞を獲得しました。昭和41年5月に県無形文化財に措定され、毎日新聞社賞や奨励賞、特賞、優秀賞などを経て無鑑査となりました。平成元年八月に亡くなりました。
葵美術より一言: 雲州住忠善は初代から2代目まで優秀な作品を残しております。特に丁子乱れがうまく表現されており、本作は長光を移した傑作です。刃紋の流れがよく映し出されており、刃区近辺は穏やかな刃紋が、その先から切先に近い部分では華やかな丁子乱れとなり、さらに帽子は三作風の如くのたれて丸く返る風を見せています。無鑑査となりましたが、人間国宝に匹敵する刀工であったことが惜しまれます。
特別保存刀剣鑑定書
葵美術評価鑑定書:全身押し形 鶴田文佳