ご注文番号:22138(委託品)
刀:白鞘入り(特別重要刀剣)、拵え付き(保存刀装具)
銘:
延寿国時(朱銘)
本阿 花押(朱銘)
鞘書き:
延寿国時 但大擦上無銘也 阿州大守蜂須賀家伝来宝刀の一也 昭和三十二年夏 寒山誌
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております。
本作の出来は延寿国時としては最上作にランクされます。
研磨済み(最上研磨)
はばき:万字家紋を入れた二重鎺(金無垢)
刃長:2尺3寸9分(72.4 cm)
反り:6分2厘 (1.9 cm)
目釘穴:4個
元幅:3.3cm
先幅:2.6cm
重ね:0.7cm
刀剣重量:810グラム
時代:鎌倉末期〜南北朝
体配:大擦上無銘で身幅が広く重ね厚く反りが深くつき、鋒やや長くつく。表裏に棒樋を彫る。豪壮な作品。
地鉄:小板目肌実に良く練れて地沸が付き綺麗な地肌となり淡い映りが現れる。
刃紋:沸出来、小足が盛んに働き帽子丸く返る。
特徴:中古刀:大業物:上作:肥後
肥後延寿派は来国行の外孫と伝えられる太郎国村を祖として鎌倉時代末期から南北朝期にかけて肥後国菊池村で繁栄した。
一派の作風は来一派に類似するが、鍛に柾ごころが目立ち、白気映りが現れ、地刃の匂口がやや沈みこころとなる。延寿国時は同派を代表する刀工の一人で国村の子とも弟子とも伝えられれいる。この太刀は延寿の特色をよく表しており、特に地景が細かく精良で素晴らしい地鉄をしております。
拵:保存刀装具ー肥後打刀拵
鍔:鉄鍔に影蝶透図をいれた肥後鍔
縁:蟻腰形
頭:波文山道図を彫る
鞘: 黒塗研出鮫印籠刻鞘
目貫:鉈豆図を容彫る。金無垢
切羽:金着 上下が記載されている。
鐺(泥摺):鉄地に雨龍図を彫る
柄:皮
葵美術より一言:
まず驚かされるのがその幅広く、重ねの厚い健全な肉置きの刀身です。瑕や欠点のない素晴らしい作品で、延寿の特色をよく表しています。特に地景が細かく精良で、素晴らしい地鉄です。まず延寿国時としてはこれ以上の作品はないと思います。茎には朱銘があり、延寿国時と読むことができます。拵えも肥後拵えの素晴らしい作品です。 肥後拵えは、千利久の高弟として芸術に造詣が深かった肥後藩主細川三済忠興によって作られたとされ、華美を避けて地味な中にも垢抜けた雅味があり、茶道に通ずる美的感覚があらわれています。一見するとこの刀がこの拵えには入るとは思えないのですが、綺麗にすっぽりと収まり、職人の技術の高さが伺えます。この刀は蜂須賀家の家宝であったと伝えられ、現在に至るまで大切に保有されてきたことが伺えます。
特別重要刀剣
保存刀装具
葵美術評価鑑定書: 全身押し形