ご注文番号:23003
刀:白鞘入り、拵え付き(第二十四回重要刀剣)
銘: 無銘 (伝近景)
鞘書:第二十四回重要刀剣指定 備前国長船近景 大擦上無銘而 同工作と伝ふ 同工は長光門人で作風的には同弟子の景光に近似したれども地鉄が肌立心で焼刃が小沸ずくところや三作帽子の状を稍(やや)誇張的に表現する点に見所が知らる 本刀は直刃に小丁子小互の目を交えて良く働き匂口の明るき出来を示す優品而熟覧すれば上記の点が窺はれ所伝は妥当也
刃長弐尺参寸二分有し 歳在令和癸卯季弥生 探山観并誌(花押)
中古刀:上々作:良業物:備前
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は としては 最上作 にランクされる作品です。
研磨済み
鎺:金着二重鎺
刃長:70.3センチ
反り:1.2センチ
目釘穴:3個
元幅:2.98センチ
先幅:1.91センチ
重ね:0.63センチ
刀剣重量:665グラム
時代:鎌倉時代末期元応1319年
体配:大擦上無銘で重ねがしっかりとして表裏に棒樋を彫り反りやや深く切先がのびた作品
地鉄:小板目肌実に良く詰んで精良な地鉄となり映りが現れる。
刃紋:直刃出来匂口深く柔らかく明るく冴えて小足がよく働き帽子丸く返る。
特徴:近景は長光の門人と伝えられ年紀は鎌倉時代末期の文保から貞和まであり、景光とは同年代だが少し後輩だとされており、両者の関係は極めて密接であったとみられる。その作風は景光に似ているるが仔細に鑑すれば景光にみない程錵の強いもの、三作帽子が強く強調された物、帽子の先端が尖りごころの作品があり個性を窺うことが出来る。
拵:
鍔:丸形の鉄鍔に合戦図を高彫り金色絵をほどこす。 銘:藻唐子宗典製(表) 江州彦根住(裏)と銘がある。
縁頭:赤銅魚子地に合戦図を高彫り金色絵をほどこす。 銘-藻唐子宗典製と銘がある。
鞘:青貝散らし鞘
目貫:鎧武者を高彫り金色絵をほどこす。
葵美術より一言:地鉄は板目肌が実に良く詰んで乱れ映りが立ち、刃紋は直刃出来に角ばった互の目が混じって小足・逆足が良く働いている。総じて鎌倉時代末期の見所が顕著だがこの極めは正しいと考えられる。同工極めの中で特に優品であり保存状態も良い。作風は景光に似ている。拵えは青貝散らし鞘に藻唐子宗典の一作物の鍔・縁頭・目貫のついた出来の良い作品です。是非お求めください。
第二十四回重要刀剣
葵美術評価鑑定書:全身押し形 鶴田文佳