ご注文番号:AS23038
刀:白鞘入り、拵え付き(特別保存刀剣)(委託品)
銘:井上和泉守国貞
菊紋 寛文十一年八月日
新刀:最上作:摂津
葵美術正真鑑定書 特別保存刀剣
当社では刀工の出来によって最上作、上々作、上作、普通作を記載しております
本作の出来は としては 上々作 にランクされる作品です。
研磨済み
大名登録
登録証番号:山形県2101号
交付年月日:昭和26年5月22日
鎺:金着一重
刃長:2尺3寸4分(70.91センチ)
反り:4分1厘(1,2424センチ)
目釘穴:1個
元幅:3.22センチ
先幅:2.15センチ
重ね:0.75センチ
刀剣重量:780 グラム
時代:江戸時代寛文11年
体配:身幅が広く重ね厚くっ反りやや浅く切先がのびた体配の良い作品
地鉄:小板目肌良く詰んで大阪地鉄となり所々大肌となる。
刃紋:小沸出来直刃にのたれが混じり匂口が深くつき
刃縁柔らかく付き刃中、砂流、金筋がよく働く
帽子、匂口深く丸く深く返る。
特徴:井上和泉守国貞は寬文11年8月には井上真改と改める。
従って銘には菊紋が彫られ年季まで漢文11年8月日と彫られております。
刀剣登録が始まった昭和26年の作品で大名登録と言われた作品です。 当時の戦前からの大名家
から引き継いだ作品であろうと考えます。
井上真改は寛永7年に生まれ天和2年11月9日に亡くなる。
江戸時代前期に活躍した刀工です。刀工であった井上国貞の次男として
日向国木花村木崎に生まれ、弱冠9歳の時に当時京都にいた父の下で
作刀技術を磨き10代の後半では一人前の刀工として力量を示し
20歳頃には父親の代作をこなしていた。
慶安5年(1630年)24歳で父の死去に伴い
井上家を襲名伊藤家から父同様に150石を与えられる
正応元年に「和泉守」を受領し銘を「和泉守国貞」と切る。
寛文元年(1661年)朝廷に作品を献上したところ賞賛され
十六葉菊花紋を刀(なかご)に入れること許された。
この頃より銘を「井上和泉守国貞」とした。寛文12年(1627年)8月より
儒者の熊沢藩山のの命名で「真改」と改称。銘も「井上真改」と切った。
真改」の頃は御留鍛冶といって藩主の許可がないと作刀を引き受けられなかったため、
「真改」銘の刀は少ないと云われている。本作は井上真改銘になる1年前の作品で出来の良い滅多に出ない作品です。
拵:
鍔:素銅地に紋様を細かく入れて九曜紋と桜の花びらを金銀で足掻き廻りを銀を縄模様に入れる
縁頭:鉄地に金銀の矢の根を高彫し金で色絵をほどこす
鞘:黒鞘に皺を作り九曜紋と矢が撃ち抜く図柄を金で描く鐺は素銅地
目貫:赤銅地で太刀と薙刀を高彫し金と銀で色絵をほどこす
葵美術より一言:本作は大阪で真改と助広は最高級の作品でどちらかというと助広は数が多く真改は数が圧倒的に数が
少ないと言われております。 本作は茎の状態も良く目釘穴一個で長寸であり刃紋は匂口の深い真改と変わらない刃紋
をしております。銘の部分も見事に銘が切れ鑢目も綺麗に切れております。
拵えも見事な作品で堂々とした作品で是非お勧めしたい作品です。
万治4年頃に作刀を奉献したのでその賞によって菊の御門を賜る。
特別保存刀鑑定書
葵美術鑑定書:全身押し形 鶴田文佳
オークション開始価格:4,150,000円(消費税、送料共)